打敷きとは？
打敷きとは？
内敷、内布、打布などとも呼ばれます。仏壇や寺院などを飾るための仏具のことです。刺繡が施された布を三角にして、前卓や上卓に敷きます。どちらの卓にも打敷を挟むための下須板があり、その上に具足をのせるようになっています。また三角の先は、下の段のすれすれまで垂らします。
卓が無い場合は、少し小さめの打敷を選び、やはり下の段のすれすれの部分まで垂らして敷くようにします。
宗派によっては、四角形の打敷を使用するところもありますが、打敷きが四角形でも敷き方は三角形と同じです。四角形の底辺を下の段のすれすれまで合わせて敷くようにします。
【打敷きの種類】
三角形の打敷きは、主には浄土真宗で使用されることが多いようです。打敷きの刺繡に紋を入れることがありますが、浄土真宗の場合は、宗紋の刺繡をすることが望ましいとされています。またお寺などは寺の紋を使用することもあるようです。
逆三角形の打敷きは、真宗大谷派で使用されます。基本的には刺繡や宗紋が入ったものを使用しています。前卓よりもやや大きめのサイズのものが使われています。
四角形の打敷きは、浄土真宗以外の宗派で使用されることが多いようです。サイズは卓の幅に合わせたものを使用します。
【打敷きを使用する方法】
打敷きを使用するのは、法事法要やお盆、正月などのイベント時のみで、普段使うことはありません。卓、または仏具を装飾するために使用されるという意味があります。
時期としては、中陰中には白無地のものを使います。また季節に合わせて打敷きも変える方が望ましいとされ、9月の彼岸入りから5月にかけては冬ものを、6月から9月の彼岸入り前までには夏ものを合わせます。
その昔、お釈迦さまの弟子たちが集まって、自分たちが着ていた衣を、お釈迦様への感謝の意を込めて、その高座に敷いたというエピソードから、打敷きの慣習が始まったとされています。
打敷きの豆知識：手作りの打敷
打敷きは、仏壇をきれいに装飾するために用いられるものです。そしてそれは、特別だからこそ飾り付けをするわけですから、年がら年中ずっと敷きっぱなしにしていてはいけません。季節ごとに衣替えも行いますし、打敷が汚れていないか注意しておきましょう。
そのため、打敷きはいつまでも同じものを使うのでなく、衣替え用や、結婚のお祝い時など、イベントの内容によって変えてみるのもいいかもしれません。
打敷きの種類はさまざまで、機械で刺繡したような安上がりの打敷から、手縫いの刺繡や、伝統工芸による打敷のよにかなり高価なものまであります。
着物や帯をリサイクルで打敷にしなおしたり、新たに自分で手作りされるかたもおられます。刺繡も手作りで行うと、心がこもった打敷ができあがりますね。また打敷きの作り方を教えてくれる教室もあって、なかなか人気もあるようですよ。
